コンビニから成人誌が消える日
これまでの紙媒体風俗誌を振り返る
これまでの紙媒体風俗誌を振り返る
今年8月いっぱいをもって、コンビニ各社が成人誌の取り扱いを原則中止とすることになった。それにより本誌「月刊アソビーノ」も最終号を迎える。風俗界のあらゆる時事ネタを扱ってきた当コーナーで、紙媒体の歴史を振り返っていく。
▲現在は「成人向け雑誌」というカテゴリーで分けられて陳列されているコンビニの雑誌コーナー。
抗えない社会情勢の変化
コンビニ各社が成人誌撤去へ
「月刊アソビーノ」は、'12年の7月に創刊され足掛け9年。今号をもって休刊することになった。先月号でその発表をしたところ、これまで本誌を支えてくださった多くの読者の方からハガキや電話で惜しむ声を頂戴した。編集部一同非常にありがたく思い、感涙にむせびながら今号を作成した次第である。
コンビニ各社が成人誌撤去へ
今回休刊という事態になってしまった経緯だが、その原因はただひとつ。'19年8月いっぱいをもって、コンビニで成人向け雑誌を“原則”取り扱わなくなるという社会情勢の変化によるものだ。これに先んじてミニストップでは、'18年から成人誌の販売を止めていたが、今回はコンビニ大手3社がそれに続く形となった。
“原則”と書いたように、フランチャイズオーナー店や繁華街周辺のエリアでは成人誌の取り扱いを続ける意向を示している店舗もあるようだ。そのため姉妹誌である「デリヘルアソビーノ」と「アソビーノ熊本」に関しては、業種や小エリアに特化した専門誌として残す意義もあるだろうと判断。
今後も引き続き発行を続けることになった。取り扱いを続ける一部コンビニをはじめ、書店やアダルトショップなどで変わらず手に取ることができる。
しかし、160ページ超えのボリュームで、福岡全域の全風俗業種の情報を紙で提供するという総合風俗誌「月刊アソビーノ」については、今回の社会情勢の変化を鑑みて、その役目は終えたであろうと判断するに至った。
ではなぜコンビニに成人誌が置けなくなってしまうのか。その理由は色々と言われているが、多くの外国人観光客が訪れることになる“東京オリンピック”開催が大きな要因のひとつだろう。
このようなイベント事に性産業の規制が行われたケースは以前にもあった。代表的なものが 年に大阪で「国際花と緑の博覧会」、通称“花の万博”が開催されるにあたってソープランドをなくすという流れになり、最終的に全店廃業となってしまった。
万博が開催される前は大阪にソープランドは60軒以上もあり、低価格で人気を博していたという。
風俗情報誌を発行し続けて22年
最初は新聞形態でのスタートだった
年々紙媒体の縮小は続いており、時代はWEB媒体へ向かっているのは周知のとおりだが、風俗誌という根強い固定ファンがいる媒体を辞めることになったのは残念のひと言。
最初は新聞形態でのスタートだった
だがもちろんこれからもアソビーノは形を変えてみなさんに風俗情報をお届けしていくのは変わらない。それを紹介する前に、これまで我々編集部が発行してきた紙媒体の歴史を簡単に振り返ってみる。
記念すべき第1弾は、今から22年前。'97年12月に創刊された「九州MAN-ZOKUニュース」だ。毎月2回、隔週で発行された風俗情報新聞で、定価は200円だった。
JR各駅のホームにあるキヨスクでも販売されており、福岡を訪れる出張客にも人気を博していた。ちなみに'04年11月に発行された「九州MAN-ZOKUニュース」(通巻167号)の制作途中に筆者は入社。初仕事は表紙に登場した女の子をお店まで迎えにいき、スタジオまで連れて行ったことだった。
むちゃくちゃ緊張したことを今でも覚えている。また当時はデジカメではなくフィルムカメラで女の子撮影をしていたため、翌日現像した写真があがってくるまでどんな風に撮れているか分からなかった。カメラの明るさを設定する露出計という機材を現場に持ってくるのを忘れてしまい、36枚撮りのフィルムでたった1枚だけきちんと撮れて他は真っ暗という肝を冷やす事態になったこともあった。
この新聞形態の「九州MAN-ZOKUニュース」は、'07年2月まで発行され翌3月9日、雑誌版として生まれ変わった。情報量も格段にアップし、定価は300円で月2回発行。デジカメへと移行したのもちょうどこの頃だ。
思い出としては、新聞から雑誌へ間隔を開けずに移行することになったので、連日連夜地獄のような忙しさだったこと。よく椅子並べて寝てたなぁ……。この雑誌版「MAN-ZOKUニュース九州」は'12年の6月、通巻126号をもって終了。そして翌7月、月刊誌としてさらなる情報量アップを目指して「月刊MAN-ZOKU」として生まれ変わった。
そして冒頭でも述べたように、本誌「月刊アソビーノ」も同時に創刊。九州エリア全域をターゲットにしていた「月刊MAN-ZOKU」とは差別化を図り、こちらは福岡市内の風俗情報を取り扱い、値段もたった100円で発行をスタートさせた。
その後「月刊MAN-ZOKU」は'17年6月に最終号を迎え、「月刊アソビーノ」に吸収。合体リニューアル号として新たなスタートを切った。その後も何度かリニューアルしつつこれまで続いてきた「月刊アソビーノ」が、今号をもってその歴史に幕を下ろすというわけだ。駆け足で振り返ってきたが、これまで22年間、多くの読者に支えられたおかげでここまで続けてくることができた。改めてお礼申し上げます。
さて、これからは未来の話。今後の「アソビーノ」は、アソビーノネットを中心に、すでに2冊発行している電子書籍シリーズを引き続き制作して販売していく予定。
現在も新しい企画が何本か進行しており、近いうちにお目にかけることが出来るはず。また、これらの最新情報は、「アソビーノ」のTwitterでお知らせしていくのでぜひフォローを! 今後はより速報性の高い情報や企画のお知らせなども当ツイッター上で発信していくのでお楽しみに!
[月刊アソビーノ2019年8月号掲載]