風俗店に遊びに行って「体操着コスプレ」があると言われたら、どのようなものを頭に思い浮かべるだろうか。そんなもん白い体操服に紺色のブルマに決まってるじゃないか。筆者と同じく30代以降の世代は当然そのような反応になるだろう。だが、そうじゃない世代がいるのだ。

　それは今年４月に入社したばかりの本誌編集部の新人記者Ｉを連れて、中洲トクヨク「ときめき胸キュン女学院」へ取材に行ったときのことだ。学園をコンセプトにしたお店であり、プレイルームは教室や理科室などをリアルに再現。コスプレも学園系のものが一通り取り揃えられており、体操着ももちろんある。新人のななせちゃんに、体操着を着てもらって撮影を行ったのだが、その帰り道に新人記者Ｉが「初めてブルマってやつを生で見ましたよ」なんて言うのだ。もちろん知識としてはブルマが’90年代半ばから後半頃にけて多くの学校で廃止され、ショートパンツへ変わっていったということは知っていた。だが実際にそういう話を聞いてとてつもないジェネレーションギャップを感じてしまったのだ。現在21歳である記者Ｉは、AVやゲーム、アニメなどでブルマの存在は知ってはいたものの、実際にその目で見たのは初めてだったというわけだ。それならばと質問してみた。風俗店に遊びに行ったとして、体操着コスプレはブルマかショートパンツどっちがいいのかと。すると即答で「ショートパンツっすね。ブルマもエロくていいですけど、ショートパンツのほうがリアルだし妄想がはかどるじゃないですか」と記者I。お前はブルマからハミ出る白いパンツの素晴らしさを知らないのか。そう小一時間説教したいところだったが、虚しくなりそうだったので止めておいた。

　その後、撮影がある度に女の子に聞いてまわったのだが10代は当然のごとくブルマを見たことがない、または風俗店に入店してから初めて見たという子ばかり。なかにはブルマって何ですか？ 　という子までいた。20代後半になると、ひとりだけ小学校低学年のときはブルマだったけど高学年からショートパンツに変わったという子がいたが、それ以外は10代と同じような反応であった。また、ブルマをどう思うかと聞いたところ、「男子にジロジロ見られそうだしすっごい恥ずかしいなって思う（笑）」と某福岡デリヘル勤務のＭちゃん（23）。確かにジロジロ見てたけど。

　ブルマと同じように我々オヤジ世代から変わったものといえば、スクール水着がある。イメージするのはワンピース型で肌の露出も多かったものだが、そのタイプはすでに全滅。現在は上と下が分かれたセパレートになっており、ヒザのところまで生地で覆われている。若い世代の風俗GALたちにとって、ワンピース型は前世紀の遺物といったもので、「これ着て授業してたなんて信じられな〜い！」という反応ばかりであった。冷静に考えてみるとそうかもしれない。でもほんと、良かったんだよなぁ……。

　学校から離れても昔から変わったものはある。その代表的なものがナース服だ。昔はスカートだったのだが、現在はほぼパンツスタイルへと移行した。動きやすさ、働きやすさを重視した結果であり、近年増えてきた男性看護士との区別を無くすといった側面もあるとか。多くの病院ではスカートかパンツか選べるらしいが、妙にそそるスカートタイプのナースさんを楽しめるのは、風俗店だけ。そう言っても過言ではないくらい、スカート派は希少となっているようだ。

　オヤジ世代にとっては当たり前だったものが時代の流れでどんどん変化してきた。冒頭に登場した「ときめき胸キュン女学院」では、体操着コスプレといえばブルマタイプで、現在のところショートパンツは用意していない。「盲点でしたけど、今後は検討しないといけないかもしれませんね（笑）」と店長さん。ブルマよりもショートパンツのほうが興奮する世代がフーゾクユーザーの中心になれば、風俗店からもブルマが少なくなる。そんな未来がいずれやってくるかもしれない。昔遊んでいた公園が都市開発工事の影響で無くなった。そんな哀愁を感じつつ、やっぱりブルマって最高なんだよと若い世代には強く伝えていきたいものだ。