福岡県迷惑行為防止条例改正から8ヶ月
夜の中洲にふたたびキャッチが舞い戻り?!
夜の中洲にふたたびキャッチが舞い戻り?!
昨年6月に改正施行された福岡県迷惑行為防止条例だが、キャッチの姿をよく見かけるようになり、声かけも活発に……。施行から8ヵ月、今の歓楽街を取材した。
性風俗をはじめ、キャバクラ、ラウンジ、スナックが密集する西日本最大の歓楽街である中洲。獲物を物色するかのように、キャッチたちの姿がいたるところに。
客引き行為をするキャッチ撲滅には
我々ユーザーがついていかない事!
昨年6月に改正施行された、福岡県迷惑行為防止条例。客引き行為の取り締まり強化を中心とした改正によって、歓楽街の浄化を目的にスタートしてから早8ヵ月が経過した。歓楽街はどのように変わっていくのか、本誌も注目して見てきたが、確かな効果を感じつつも浄化にはまだまだ時間がかかるというのが正直なところだ。我々ユーザーがついていかない事!
6月の施行時には廃業するキャッチたちもかなりの数に上った。西日本最大の歓楽街である中洲では、週末の夜にもかかわらずメインの大通りがひっそりとしている印象さえ受けるほどキャッチがいなくなっていたのだ。しかし現在の中洲はというと、傍目には改正以前と同じくらいキャッチたちの姿を見かけるようになり、少し歩くだけで次々に声をかけられる状況になってしまっている。以前廃業したキャッチたちが、また歓楽街へと戻ってきたのだろうか。
取材を進めると、最近のキャッチ増加の一因と考えられるのが、新規参入であることが分かった。どうも廃業したキャッチが復活しているというよりは、新たにキャッチを始める若い世代の増加、さらには県外からキャッチグループが福岡入りしているからだという噂が聞こえてきた。
いっぱい稼げる美味しい仕事?!
続々と若い世代が“キャッチ”に
若い世代が次々にキャッチをやり始めているのは、やはり稼げるからだろうか。キャッチは通行人に声をかけてお店に連れていくことでバック、いわゆる紹介料をもらう。相場はお店やキャッチによって変わってくるが、だいたい1セット6千円のお店に連れて行くとバックが2千円。5人の団体客を捕まえればそれだけで1万円の稼ぎになるという。紹介すればするだけ収入になり、しかも即金。条例改正によって取締りが厳しくなっていようがおかまいなし。捕まらなければいいんでしょと言わんばかりに、客引き行為に精を出しているようだ。以前と違う点といえば、「案内所ありますよ〜」と声をかけられること。これは私服警官の取り締まりを警戒してなのだろう。警官の見回りを見かけるとすぐに連絡を回してその場から解散したりなど、キャッチたちも捕まらないようにいろいろと知恵を絞っているようだ。続々と若い世代が“キャッチ”に
そんなキャッチたちの稼ぎ時は実は深夜、日付が変わってから。中洲のキャバクラは深夜1時以降の営業を禁止されているのだが、こっそりと営業しているお店は少なくない。この時間帯はすでに飲んでいる酔客も多数通りを歩いており、2軒目、3軒目と、とことん飲みたい客も多いだろう。そんなときにまだ開いているお店があると声をかけられたら……。キャッチたちにとってはまさにチャンス。客をしっかりと見極めていつもなら1セット6千円と紹介して2千円バックをもらっているお店でも、1セット1万円と言って紹介することでその分上乗せの6千円バックを手にしたりしているという。何にせよ酔っている相手、やりたい放題なのだ。
キャッチに捕まって1番怖いのは
急増しているぼったくり店だ!
歓楽街で遊ぶ客にとってはオススメのお店を教えてくれたり、実際にキャッチが取り分を減らして安く遊ばせてくれたり、それこそ深夜1時以降でもお姉ちゃんと飲めるなどのメリットがあるのは事実。しかし、キャッチを利用することによる最大のデメリット、本当に怖いのは“ぼったくり”なのだ!急増しているぼったくり店だ!
最近中洲ではぼったくり店が増えているという話もあり、トラブルも続出している。そのトラブルは6千円のお店をキャッチの言うままに1万円払ってしまう程度のものでは当然ない。
1セット6千円と紹介されて行ったお店で1時間程度飲んで会計すると、女の子のドリンク代やチャーム代、さらには数十%のサービス料が加算され、10万、20万の請求がやってくるのだ。たとえお店に聞いていないと言っても「キャッチがどのように言っていたかは知らない」と取り付く島もなく、そもそもそんな抵抗すら恐ろしくて出来やしないだろう。客の中には店を飛び出して紹介したキャッチを探し回って見つけたあげく、ケンカに発展。警察が出動したケースもあったようだ。
条例改正によって客引き行為撲滅に動きだした歓楽街だが、金の匂いがあれば人が集まるのはどうしようもないところ。しかし、県警による取り締まりは厳しく行われているので、我々ユーザーとしては客引き行為をするキャッチについていかないことが自分の身を守るという意味でも1番大事。ぼったくりに合わないようにするには、キャッチについていかなければいいのだ! これからは歓送迎会などで飲み事も多い時期。十分ご注意を。
迷ったらココ!!
「マンゾクステーション」
住所/福岡市博多区中洲1-8-31楽園ビル1F
営業/9時~翌1時
TEL/092-283-2810
[月刊マンゾク九州2016年5月号掲載]