風俗店を悩ます行き過ぎた行為
客と直接やり取りする直っ引きが蔓延
客と直接やり取りする直っ引きが蔓延
お店に行ってお金を払い、女の子と遊ぶ。これが風俗遊びの基本だが、それを逸脱する行き過ぎた行為が蔓延しているという。その実態を追ってみた。
※写真はイメージです
記者が実際にもらったメールアドレスが書かれた女の子の名刺。最近はLINE(スマホアプリ)のIDを書いてくれることも多い。
記者が実際にもらったメールアドレスが書かれた女の子の名刺。最近はLINE(スマホアプリ)のIDを書いてくれることも多い。
行き過ぎた行為に手を出すフーギャル! 隠れたトラブルも多く発生中っ!!
「かなり人気の女の子で指名数は常にトップだったんですが、泣く泣くクビにしました」と、悲壮感漂う某デリヘルの店長。実はその人気の彼女、お店にとって頭の痛~い違反行為をやっていたのだ! それが直っ引き。簡単に説明すると、お店を通さずお客さんと直接連絡を取って会っていたのだ。もちろんただ会っていただけならば、お客さんと女の子の自由恋愛という見方も出来るだろう。しかし、そこに金銭のやり取りが発生し、お店でやるサービスをしてしまっていたとしたら、これはもう売上減に繋がることは必至。さらには、風俗店ではできないようなサービスまでをもしていたら…。完全に売春行為となり、法律違反である。
この直っ引きは法律を無視して金銭面だけで考えてみれば、お客さんと女の子どちらも得をするwin-winの関係だ。例えば60分コース1万5千円のお店の女の子と直接やり取りする場合、客が1万2千円女の子に払うとする。店を通すより3千円の得だ。女の子側は客から受け取った1万5千円のうち4割をお店へ、残りの6割9千円を受け取るとすると、直接やり取りしたほうが3千円得をすることになる。客側も安くなり、女の子側もやることは同じでもらいは多いとなれば、魅力的に見えてしまうのだろう。
風俗店の営業をしていくなかで、かなり上位にくるほどの悩みのタネである直っ引き。北九州の某デリヘル店長は、「女の子が10人いたら1人はやっていると考えてもいいくらいほんとに多いよ。自分も何人もクビにしてきた。だいたい分かるんだよね。週5日で出勤してた子が急に週1になったり、その子をよく指名していた常連客からの電話がぱったり止まったり。こういう状況だとほぼ直っ引きしてる」という。
安く遊びたい客からの提案を
女の子の多くが受けたことあり!
直っ引きに至る経緯は、風俗で働くことや在籍しているお店に慣れ、その方法を知ってより稼げると考えた女の子の方から客に提案するケースもあるだろう。しかしそれ以上に客側から持ちかけることも多いのだ。というのも、取材した女の子たちのほとんどが、「店の外で会おう」「直接やり取りしたほうが、稼げていいじゃん」などと誘われた経験があると答えているのだ。昔からこの問題は多かったのだが、長く続くデフレ不況の今は特に多く、客側の「少しでも安く遊びたい」という心理が直っ引きという行為の増加に拍車をかけている。さらにはメールやLINEなどで客とやり取りすることをお店側も奨励している状況があり、連絡先を交換して日々やり取りをしていくなかで、そういった取引を持ちかけられているのだろう。
女の子の多くが受けたことあり!
前出北九州の某デリヘル店長はいう。「直っ引きをやる子は出勤が少なくなるのはもちろん、辞めちゃうからね。連動して、お客さんもお店から離れる。売り上げにこれほどイタイことはないよ! でもね、それ以上に心配なのが女の子。値段も時間も交渉は全部自分でしなきゃならないし。うまくいってるうちはいいけど、そのお客とトラブルになったときは守ってくれるもんなんかないんだから」。
今のご時勢ネットで検索すれば、直っ引きのやり方なんてものまでヒットする。お手軽に収入アップなどと軽く捉えがちだが、その実隠れたトラブルは多い。女の子のみならず、けしかけたお客が女の子と美人局気味にもめたりと、どちらにも何かと面倒なことがつきまとう。最初からお店で遊べば、まじめに働いてればよかった、なんてなオチになるまえに、君子危うきに近寄らず、ですな。
[月刊マンゾク九州2014年5月号掲載]