中洲の夜はコレで激変するのか?
福岡案内所規制始まる!!
福岡案内所規制始まる!!
福岡県内の風俗案内所を規制する条例案が福岡県警により提出された。来春にも条例として施行されるという。今後中洲の夜はどう変わっていくのだろうか。
30カ所も案内所が集中する中洲。条例が施行されると、その数は減っていくのだろうか。
増え続ける案内所に初の規制
来春4月に施行される見通し
「歓楽街を歩けば案内所に当たる」。そう言っても過言ではないくらい、福岡県にも案内所の数は増加し続けている。現在39ヵ所、そのうち九州一の歓楽街である中洲には30ヵ所もの案内所が集中している。知らない土地で「安心して遊びたい」出張客、「少しでもお得に遊びたい」地元客、ネットでの情報収集が当たり前のご時世でもこと歓楽街情報に関しては超アナログな「案内所」が未だ最強メディアであることは変わらない。が、こうした遊びの道標たる案内所も増えすぎれば問題も出てくる。過当競争でルール無視の案内所が登場してくるのだ。
来春4月に施行される見通し
さらに案内所の数が増した原因のひとつとして、2006年末に施行された条例があげられる。その条例は客引き行為の一切を禁止するもので、それまで大っぴらに客引き行為を行ってきた一部関係者が活動継続のためにと、案内所へと形態を鞍替えしてきたことに起因する。そうして増加してきた案内所の中には、違法営業を行う店舗への案内、客引き、呼び込み等の行為を行っているところが少なからず存在している。また、みかじめ料を取る暴力団の資金源になっているケースも見受けられた。
そんな風紀を乱す一部案内所に対し、福岡県警が規制する条例案をこの度提出。来春4月にも施行される見通しとなった。条例案の主な内容は、性的サービスを連想させる言葉での勧誘や、性的表現が記載された広告を屋外から見えるように提示することの禁止。また、風営法で定められた時間外での案内活動も禁止。そして、一定基準以上の騒音を出すことなども禁止され、悪質な場合は営業停止命令が下ることになる。そして、案内所への監視も強化され、公安委員会への営業届出を義務化、警察職員に立ち入り調査の権限も与えられた。こうした案内所を規制する条例は、性風俗店への案内を全面的に禁止した大阪をはじめ、東京や沖縄など全国7都府県で制定されている。
今回の福岡県警により発表された案に基づく条例が施行されることにより、安心して飲み食いできる中洲になるという意見もある一方、効果を疑問視する声も多く存在する。確かに、呼び込みなどの客引き行為など、すぐに違反だと分かる行為への抑止効果は大きいかもしれない。しかし、中洲大通りなど性風俗店の営業が禁止されているエリアの案内所から、南新地の性風俗店へ案内することは違反となるのだが、口頭での案内行為を行われたらそれを取り締まることはなかなかに難しい。実際に、クラブやラウンジしか案内できないエリアの案内所において、あるユーザーが「風俗はないの?」と聞くと、奥から性風俗店の広告や看板などを持ってきて南新地の風俗店へと案内するケースがあるという。
抜け道を見つける案内所がないとも言い切れない現状では、やはりユーザーひとりひとりが自分の身は自分で守るという意識を持つことが大切になってくる。きちんと条例を遵守して営業を行っている案内所を利用するような心がけひとつで余計なトラブルからの回避につながるのだ。では、良い案内所と悪い案内所の見分け方はどうすればいいだろうか。南新地の入り口にて営業しているMAN-ZOKUステーションの店長に話を聞いた。
「1番は、違法である呼び込み行為をしている案内所に近づかないこと。今は大通りを歩いていると、〝案内所の者です"などと頻繁に声をかけられますよね。条例によってそういった行動は減ることになるとは思いますが、それも一時的だろうと思います。あとは実際に案内されているときに、時間外などの違法営業のお店を紹介された店舗には今後2度と近づかないこと。特に深夜2時、3時を過ぎても案内しているトコロは絶対にNGです」
いよいよ福岡でも施行される「案内所条例」だが、その効果には大いに期待したいところだ。とくに店舗自体が激減するかは様子見だが、モラルを欠いた案内所からの客引きたちが一掃されれば街並みは大きく変わる。その効果だけでも中洲には絶大だろう。
安心・安全なお店を案内し続け10周年!!
中洲無料案内所の老舗「MAN-ZOKUステーション」
中洲無料案内所の老舗「MAN-ZOKUステーション」
MEMO
中洲にはまだまだ問題が多い
条例制定後も減らない客引き
条例制定後も減らない客引き
今回条例で規制されることになった案内所。それに先駆けて'06年に条例が制定され規制されることになった客引き行為だが、減ったとはいえまだまだ行われていると言わざるをえない。案内所の規制に対する効果に期待するも、客引き行為にも厳しい風向きを街は望んでる。
[月刊マンゾク九州2012年12月号掲載]